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2010年12月20日

「民業圧迫」薬店編⑮最終章

外に出ると、すでに陽がずいぶん傾いていた。
街並みを赤く染める典型的な秋の夕陽だった。


解約完遂という達成感からか、その陽の傾きがまるで国家権力の斜陽のようにも感じられた。


一瞬立ち止まり僕はKさんに、
「途中どうなるかと思いましたが、よかったですね。」と言うと、


「はい。」
背筋を伸ばし、今度は小学生のような素振りで言った。
Kさんの頬も赤く染まっていた。


西谷が自分の持った紙袋を指差し、
「これ、重いような軽いような・・・でも、これだけあればラーメン屋が出来るんやけどなあ。」


「あはははは~!」
Kさんと僕の笑いを誘い、また寄り添うように駐車場まで歩いた。


Kさんの取引銀行の口座に全額入金するため、お金は通帳とともにすべて西谷に任され、彼が一人で銀行に行った。
全額を僕らに任せてくれたことを今さらながら光栄に思う。


僕はKさんを薬店まで送り西谷を待つ間、その日の出来事をKさん、おばあちゃんと談笑していた。



予想外の時間が経過して西谷が戻ってきた。
「一度に100万しか入らないんですよ。その度に何枚かはねられるんです。1つのATMをあんなに長い時間占領してたら絶対不審者ですよね!」
またKさんとおばあちゃんの笑いを誘った。


これでお付き合いが終わるわけではないので、僕らはお暇することにした。




「本当にありがとうございました。」

Kさんとおばあちゃんが深々と頭を下げる。





僕らもそれ以上に深々と頭を下げ、

「こちらこそ、本当にお会いできてよかったです。」




自然に心から出た言葉だった。



                               (完)




  


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の実話で僕が言いたかったことをまとめる。


この物語を僕は多くの人に話した。
実際厳しい意見も多くあった。
「自営業なのに、危機管理意識が不足してるんじゃないの?」
「そんなにボケーっとしていて、よく今までやってこれたね。」
「民間には、もっと悪いのがいくらでもいるよ。」


確かに「危機管理意識」という意味では同感だ。
しかし、僕が今回言おうとしているのはそれではない。

1.保険という同じ土俵なのにもかかわらず、郵便局職員のみが無法地帯とも言える状況にある。
2.「国だから安心できる」という幻想が国民に根強い。

この2点である。



決して僕は当時国営の郵便局だけを問題にしたかったのではない。
これは一つの象徴的出来事にすぎない。
このような「民業圧迫」は他の分野でもいまだに数多くあり、国の謀略は限りない。


僕は政治家なんてかわいいものだと思っている。
彼らは選挙に落選すれば、よほどの大物でないかぎりただの人だからだ。



では一体、その「得体の知れない国」とはなんなのだろう。



「国民の意識そのもの」だと僕は思っている。
これが「民主主義国家」の最大の長所であり最大の欠点でもある。


いかに絶大な権力を持つ国とはいえ、いつも国民の顔色をうかがっている。


「菅谷利和さん」の冤罪事件で初めて警察庁は謝罪した。
これは世論が収まらないと判断したからだだろう。


光市母子殺害事件は衝撃的結末で死刑が確定した。
過去2人までの殺人で死刑になった前例はないのに、本村洋さん側に立つ世論を重く見た裁判所の異例の判決だった。


元中曽根総理は正直に「政治家は世論を窺う風見鶏だ」と公言した。


このように、国家というものは常に世論を気にしている。
このことから、今の日本の姿は国民の意識そのものだということが分かる。


やっと最近になって、国や地方の不祥事を暴く報道が増えたが、一昔前は皆無に近かった。
TVは視聴率が全てだという観点からすると国民の意識が上がっていることになる。


瑣末な事件の視聴率が下がり、大切な事件の視聴率が上がればマスコミは当然そちらに動く。
すべては国民の意識にかかっているのだ。


国民の意識がさらに高くなり、より厳しい目を国家に向け続ければ、自ずと国は変わって行く。
これを僕は言いたかったのだ。
  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(1)