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2010年12月31日

「嫁のお父さん、取り消し編」⑩

すべての復旧作業が終わり一ヶ月くらい経った頃、Y氏の名刺にある携帯番号に電話をしてみた。


「もしもし、あの時の○○です。その後大変だったでしょ?」


「いえいえ、こちらこそご迷惑をかけて本当に申し訳ありませんでした。」
歯切れの良い、爽やかな口調だった。


「今日電話したのはですね、一度外で会いませんか?という趣旨です。単刀直入に言いますね、スカウトです。」


「え? スカウトですか? お役に立てるとは思えないのですが、お話を聞かせていただくだけなら承知いたします。」


「もちろん話をして、すぐどうぞなんてことは言いませんよ。 逆にすぐ乗ってこられたら、こっちが戸惑います(笑)。」




数日後、約束どおりファミレスで会った。
先に説明しておくと僕はスカウトを仕事としている訳ではない。


僕が現在所属する保険代理店「保険プラザ」では、多くの保険会社の商品を取り扱っている。
中でも突出して商品力の優れた会社があり、折りしもそこの担当者からこんな話を僕は受けていた。


「どなたか優秀なセールスレディを知りませんか? 今当社はスカウトに力を入れ始めていまして、その規定が最近発表されたんです。 前年度の年収が一定以上の方が条件なんですが、当社の保険を取り扱う代理店として独立していただければ、月30万円の固定給を一年間お支払いすることが出来るんです。 もちろん、とった契約分は上乗せされます。」


僕に対するお礼もあるのは当然だが、それはたいした額ではなく、むしろ「より良い保険」が「より多くの人に伝わる」ことに興味を持っていた。
ただし、この年収規定をクリアする人はざらにいるはずはなく、逆にクリアしている人なら簡単に退社するはずもない。


そんな時出会ったのがY氏。
この年収規定を超えているセールスレディは数少ないに違いないが、Y氏は間違いなく超えているだろうという確信が僕にはあった。


彼女が独立し、良い商品を世に広めてくれたなら社会貢献という意味での僕の目的の一部が達成される。
そんな僕の思いを彼女に伝えたかったのだ。




ここで、読者の方に大変重要なことを書きます。


生命保険分野では明らかに優れている商品があるという事実です。
自動車や電化製品などの価格差や商品特性の違いどころではありません。


一般的には、すべての保障を一まとめでセット販売している商品は概して出遅れています。
逆に単品販売している会社の商品に優れたものが多いのが現実です。


特に「医療保険」や「ガン保険」では、ほぼ同じ保障内容で、ここまで保険料に差があるのかというほど違いがあります。
その違いは、「保険が分かりにくいことをいいことに」と言われても仕方がないほどの違いがあるのです。


仮に毎月の保険料が3,000円安くなったなら、30年続けると108万円もに違いが生じます。
心ある専門家はみな、このことをより多くの方に知っていただきたいのです。


しかし残念なことにその違いを、たとえ客観的な事実を列挙した資料であっても、みなさんに紹介することは、保険業法で禁じられているのです。
「他社の誹謗中傷につながる恐れのあること」は一切出来ません。
みなさんからすればヘンテコリンな話ですが、これが現状です。


この影響もあり、みなさんが真実を知る機会が更に少なくなっているとも言うことができます。


まずはこの辺りをY氏と話してみようと思った。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追記

今年僕のブログを読んでくださった方々、大変ありがとうございました。

良いお年をお迎えください。

そして来年も引き続き、よろしくお願いします!^^  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(0)

2010年12月30日

「嫁のお父さん、取り消し編」⑨

さて、話を戻そう。

僕が保険業法を持ち出したのは、転換や乗り換えでは「契約者に不利となることの説明」を義務付けられてからで、元々それを引き出すのが目的だった。


しかし、先方の口から聞くことが出来なかったので、僕から言うこととなった。

「転換では契約者に不利になることを説明しなければなりませんが、知っていますか?」

「あ・・・はい。」Y氏は歯切れが悪くなって来た。

「では、数多くあるのですが一つでも言ってください。」

「・・・・・」

「え? 一つも言えないんですか? ならば僕が一つ一つ質問しますので答えてください。 まずは予定利率が高い場合の契約者におけるメリットを説明してください。」

これに関しては、さすがに社内の教育係りをしているだけあって、Y氏は即答した。

「同じ保障なら保険料が安いことです。」
見事に正解だった。もう一つあるのだが、それを追及するのは割愛した。

「その通りですね。 では、この新しい保険に転換する時、予定利率が下がることを説明しましたか?」

たった一つ目の質問で場はクライマックスへと達した。
説明していないだろうという確信が僕にはあった。

Y氏は数秒沈黙し、観念したかのように口を開いた。
「していません。」

僕は支社長に目を向け言った。
「まだ質問事項はたくさんあるのですが、必要ですか?」

「いいえ、必要ありません。」
これで万事休すであることは同業者であれば当然分かっている。

僕はさらに付け加えた。
「今日の会話はすべて録音しています。ですから今日の会話は言った言わないの話には決してならないことをご承知おきください。 そして会話の流れを的確に本社にお伝えください。」

支社長が答えた。
「承知致しました。 一応本社には伝えますが、私が承諾すると言えばほぼ間違いなく、取り消し及び復旧は出来ると思います。 給付金の払い戻しなど複雑な計算もありますので、少しお時間をください。」




決着はついたので、僕の正直な気持ちをY氏に伝えた。
「正直に答えてくれてありがとう!」

突然、Y氏の目から大粒の涙がこぼれ始めた。
泣きながらもY氏は心中を語った。
「いいえ、大変ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。」
頭を深々と下げた時の肩が小刻みに震えていた。


知識不足や勉強不足は誉められることではないが、Y氏は営業パーソンとして優れていると僕は思った。
計画を達成できたことよりも、Y氏の対応に僕はいささか感心し、
『こんな子がX社にいるのは勿体ない』と思い始めていた。


今回のY氏の非は、Y氏自身の問題というより会社の体制の問題だと僕は見ていた。
誠実な対応や明確な話し方は、むしろY氏が持って生まれたものである。


そのY氏の特質を今の会社が存分に活かしているとは到底思えなかったのだ。
その辺に対する彼女の心中を僕は是非とも聞いてみたくなった。


そして後日、スカウトを目的としてY氏とファミレスで会うことになる。




  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(2)

2010年12月29日

「嫁のお父さん、取り消し編」⑧

社名は出せないが、誰もが知る大手保険会社である。
しかも、大都市福岡の支社長と教育係の2人である。



心の中で、いろんな思いが渦巻いていた。



こんなにも会社によって教育レベルが違うのか?

一体何を教育しているのだろう?

こんなことで金融庁の監査をパスできるのだろうか?

パスするために特別な方法でも使っているのだろうか?

もしかすると金融庁は大手日本社に監査が甘いのか、という疑問さえ湧いてきた。

仮に甘くなくても、監査の程度をなんらかの方法で入手しているのかも知れない。

推測は果てしなかった。




なぜなら僕が最初に教育を受けた某外資系保険会社では、この種のことを徹底していたからだ。
保険業法の暗誦は当然のことで、持ち物検査も含めた社内の抜き打ち検査も頻繁にあり、それに対する社内の緊張感は常に途切れることはなかった。
実際、金融庁の監査を2度経験したが、常軌を逸するような緊張感だった。


そして僕はこれを当然のこととし、他社も一生懸命やっているんだろうなあと漠然と思っていた。
だから僕を教育してくれた保険会社の優位性をここで書くことになるなど、思ってもみなかった。


生命保険業界では、10年くらい前から契約者保護に重点が置かれはじめ、コンプライアンスという言葉をよく聞くようになった。
その極々基本的なこととして保険業法を暗記しなければならないことを僕は普通のことだと認識していたのだ。


ここで僕が常識だと思っていたことを付け加えるなら、毎朝の朝礼は一種の勉強会であり、日経新聞などの記事を題材とし、世界の経済状況や金融知識を深める時間だった。


さらに生命保険業界では、保険を販売するために最低限必要な「一般過程」の試験のほか、「大学課程」試験まで数多くあり、僕が所属していた会社では全試験に合格することを必須条件としていた。
これが苦痛であることを理由の一つとして退社した者もいたほどだ。


少なくとも外資系保険会社では、上記のことは常識である。
なぜなら、欧米では「生命保険は金融商品の中で最も難しい」とされており事実だからだ。


その難しい商品を素人の人に販売するのだから、売り手側が十分に理解していることが絶対条件となる。
やや体の良い表現だが、医者に似ていると思う。


治療方法のすべてを患者に理解させることは不可能だが、医者はすべてを把握している必要があり、そのためには新しい治療法などを含めた勉強が絶えず必要となる。


長くなったが、このブログの目的は「生命保険の知識を深めていただくこと」と「日本の生命保険業界の実態を知っていただくこと」なので付記した。
全然物足りないが(笑)。

  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(0)

2010年12月28日

「嫁のお父さん、取り消し編」⑦

後に分かったことだが、担当女性(以下Y氏)は35歳既婚。
短大卒ですぐX社に入社し、セールスレディを長らく経験し、僕が出会った頃は新人教育を中心とする内勤を仕事としていた。


同じ営業パーソンとして初対面の雰囲気は気になるものだが、意外にも非常に良かった。
僕の中の固定観念とも言える、いわゆる「日本社のセールスレディ」ではなかった。


実際話しても、声はきちんと出るし、発音も明瞭、これだけ緊張する状況の中でも自分が言いたいことを的確に相手に伝える能力を備えていた。
一瞬僕の中で迷いが起きた。
「この人ならきちんと説明しているかも知れない・・・」と。




しかし目的は義父母に協力することである。


挨拶が終わり、前回同様義父が思っているままを話し始めた。

「あのさ、あんたオレの会社に来てバタバタした中で新しい保険の説明をしよったけど、死亡が減るって言ってなかろ?」


Y氏「いいえ、あの時使った資料と同じものがこれですけど、ご説明致しました。」


義父「いいや、オレは聞いとらんよ。契約はここでしたろ? その時家内もおったけど、家内も聞いとらんって言っとるさ。」


Y氏「いえ、ご説明したはずなんですが・・・」


予想通りの展開だ。
これでは水掛け論で終わり、決着が付くはずがない。


ここで支社長が口を開いた。
「昨日もYと会社で話したんですが、本人は説明したと言っておるんです。もちろん私は同席していませんでしたから真偽は分からないのですが、言ったという証拠もないなら、言わなかったという証拠もないわけで、このことに関しては結論が出ないと思うんですね。」


もっともな表現だった。
このまま裁判に持ち込めば、こちらに勝ち目はない。
是非ともそれは避けなければならない。


義父がやや興奮し、
「あんた、入院が1万円になるとばっかり言いよったろうが! オレはそれしか頭に残ってないよ!」


Y氏「それは確かにお客様にとって大変良いことなので申し上げましたが、死亡保障が下がることも同時に申し上げたと思います。」


なにしろ、遡ること2年近く前のことだ。
これでは埒が明かない。


会話に参加しなければならない時が来たと感じた。


僕はまずY氏に聞いてみた。
「Yさん、これは転換ですよね。」


「はい、そうです。」とY氏。


「転換の時、契約者保護という観点から必ず説明しなければならないことを今言ってみてください。」


「・・・契約者保護とおっしゃいますと・・・」Y氏はややうろたえた。


「え? 即答できないんですか? ならば保険業法の禁止事項をいくつか言ってください。」


Y氏はさらにうろたえたが少し間をおき、きっぱりこう言った。
「すみません。 分かりません。」


実はこの時のY氏の潔さに、僕は内心感動すら覚えていた。
だが、スタンスを変えるわけには行かない。


僕はたたみ掛けた。
「通常、会社の勧誘方針を持っているはずですね。今見せてください。」


Y氏はすでにお手上げ状態だった。
「すみません。持っていません。」


今度は支社長に問いかけてみた。
「天下のX社ともあろうものが、保険業法の禁止事項さえ教育していないんですか?」


「申し訳ありません。定期的には教育しているんですが、暗誦までの教育にはなっていませんでした。」


「では、あなたが今ここで暗誦してください。」


「・・・・・」支社長もかなり怯んでいた。


ここまでのことを僕は計画の一部に盛り込んでいたのだが、実は1つや2つは答えるだろうと予測していた。
まさか1つも答えられないとは思っていなかったため、内心あきれ返って同業者として悲しくさえなっていた。
  
Posted by 生命保険認定士 at 13:00Comments(2)

2010年12月27日

「嫁のお父さん、取り消し編」⑥

先方からの連絡はすぐにあると思っていたが、一週間は経っていた。


義父からの電話が鳴った。
「毎回連絡が遅いもんなあ。さっきかかってきて、早速あさっての午前10時はどうか言うとるが、どうやろか?」


あんまり暇だと思われたくないが、空いていた(笑)。
「急ですね~、でも空いてますよ。ちょっと打ち合わせをしておきたいので、少し早めに行きますね。」


「何回も悪いなあ。こんなことで時間とらせて。」


「何言ってるんですか。僕のほうこそ迷惑ばかりかけてきたので、少しは恩返しさせてください。」


と、かっこいいことを言ったのだが、今回来るのは最高責任者。
僕は以前某外資系保険会社に所属していたので、そこの責任者レベルがどれほど高度な知識を持ち、どれほど頭脳明晰で、なおかつ礼儀を心得ているか知っていた。


そのレベルでも対応できるだろう準備はしていたのだが、やはり不慮のことが起きる可能性は十分にあるので緊張していた。
恐らくカギになるのは、その責任者と担当者が今回の件でどれだけの話し合いと打ち合わせをしているかという点だろう。




その日僕は30分前に嫁の実家に到着し、簡単な打ち合わせをした。

前回と同じく、義父が言いたいことを先に言ってもわうこと。
前回と同じく、僕が録音機を忍ばせていること。
僕の判断で割って入ることなどだ。


10時少し前に先方の担当者から義父母へ電話があった。
車を停める場所がないのでやや遅れるとのこと。


義父母の家は博多駅近く、先方の支社も博多駅近く。
しかも担当者は来訪経験がある。


なぜ遅れるのか見当がつかなかった。
極度の方向音痴なのだろうか(笑)。




玄関チャイムが鳴り、現れたのは僕と歳の近い男性と30歳半ばの担当女性。
女性はかなり緊張しているようだったが、男性は落ち着き払っていた。


受け取った名刺から、男性は福岡支社長、女性は意外にも部長代理とあった。
現在は内勤を担当していることになる。


さて、どんな運びになるのか、好奇心と不安があいまっていた。  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(0)

2010年12月26日

「嫁のお父さん、取り消し編」⑤

義父がまず口を開いた。
「あのさ、入院が1万円になるとばっかり言われて新しい保険に変えたけど、以前は死んだら500万あったのに、新しいのは10万しかないんでビックリしとるんよ。こんな説明は俺も家内も聞いとらんもんね。」


興味津々のT氏の受け答え。
「そうでしたか? 今日は担当の山下は都合で来れなくて申し訳ないんですが、前もって聞いたところによると、説明したと言っているんです。 そんなご記憶はないでしょうか?」


義父がやや興奮する。
「ないって言っとるやろ。契約の時は家内もおったけど、一言も聞いてないと言っとるわい。」


「失礼しました。 山下が言ったことをお伝えしたまででしたが、ご気分を害されたら申し訳ありません。」とT氏。



僕は内心思っていた。
このT氏は、なんの権限もなく、ただこちらの出方を伺うだけのためにやってきていると。


ならば、こちらとしては自分ではもう対処できないと思わせればよいことである。
今日は降参して帰ってもらって、その旨を責任者に伝えてもらうだけで良い。


だから僕が割って入った。
「おのですね、Tさん。 僕も営業をやっていますが、説明というのは言った言わないではなく、お客様が確実に理解しているかどうかが問題ですよね。 今回の経緯は僕もいなかったので分かりませんが、少なくとも父は聞いていない、つまり伝わっていないというのが現実です。 それは担当者およびあなた方の手落ちと言っていいのではないでしょうか?」


T氏はややうろたえた。
「それはおっしゃる通りです。」


僕が続けた。
「これは、いわゆる転換ですよね。 転換の時に欠かしてはならない説明事項を言ってください。」


T氏はさらにうろたえた。
「あの・・・欠かしてはならないとおっしゃいますと・・・」


立て続けに僕が言う。
「保険業法上のことです。」


T氏は顔がピクピク痙攣し始めた。まさか保険業法を持ち出されるとは思っても見なかったのだろう。
「そうおっしゃいましても・・・」


かわいそうだけど仕方がない。
「契約者に不利となることは全て説明する必要がありますよね。それを今列挙してください。」


T氏。
「・・・・・・・・・」


これくらいにしておくことにした。
「せっかくお越しいただいたんですが、次回は福岡の最高責任者と担当者に来るよう、お伝え願えますか?」


「はい、承知いたしました。 予定がつき次第電話でご連絡いたしますが、それでよろしいでしょうか?」とT氏。


「お父さん、それでいいですか?」
こちらの最高責任者は契約者である義父なので、意向を聞くと、


「最初からそうせんか!」
いかにも義父らしい。


さて、今度の連絡はどれくらいであるだろうか。
同業者として興味が尽きなかった。
  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(0)

2010年12月25日

「嫁のお父さん、取り消し編」④

義父がまず口を開いた。
「あのさ、入院が1万円になるとばっかり言われて新しい保険に変えたけど、以前は死んだら500万あったのに、新しいのは10万しかないんでビックリしとるんよ。こんな説明は俺も家内も聞いとらんもんね。」


興味津々のT氏の受け答え。
「そうでしたか? 今日は担当の山下は都合で来れなくて申し訳ないんですが、前もって聞いたところによると、説明したと言っているんです。 そんなご記憶はないでしょうか?」


義父がやや興奮する。
「ないって言っとるやろ。契約の時は家内もおったけど、一言も聞いてないと言っとるわい。」


「失礼しました。 山下が言ったことをお伝えしたまででしたが、ご気分を害されたら申し訳ありません。」とT氏。



僕は内心思っていた。
このT氏は、なんの権限もなく、ただこちらの出方を伺うだけのためにやってきていると。


ならば、こちらとしては自分ではもう対処できないと思わせればよいことである。
今日は降参して帰ってもらって、その旨を責任者に伝えてもらうだけで良い。


だから僕が割って入った。
「おのですね、Tさん。 僕も営業をやっていますが、説明というのは言った言わないではなく、お客様が確実に理解しているかどうかが問題ですよね。 今回の経緯は僕もいなかったので分かりませんが、少なくとも父は聞いていない、つまり伝わっていないというのが現実です。 それは担当者およびあなた方の手落ちと言っていいのではないでしょうか?」


T氏はややうろたえた。
「それはおっしゃる通りです。」


僕が続けた。
「これは、いわゆる転換ですよね。 転換の時に欠かしてはならない説明事項を言ってください。」


T氏はさらにうろたえた。
「あの・・・欠かしてはならないとおっしゃいますと・・・」


立て続けに僕が言う。
「保険業法上のことです。」


T氏は顔がピクピク痙攣し始めた。まさか保険業法を持ち出されるとは思っても見なかったのだろう。
「そうおっしゃいましても・・・」


かわいそうだけど仕方がない。
「契約者に不利となることは全て説明する必要がありますよね。それを今列挙してください。」


T氏。
「・・・・・・・・・」


これくらいにしておくことにした。
「せっかくお越しいただいたんですが、次回は福岡の最高責任者と担当者に来るよう、お伝え願えますか?」


「はい、承知いたしました。 予定がつき次第電話でご連絡いたしますが、それでよろしいでしょうか?」とT氏。


「お父さん、それでいいですか?」
こちらの最高責任者は契約者である義父なので、意向を聞くと、


「最初からそうせんか!」
いかにも義父らしい。


さて、今度の連絡はどれくらいであるだろうか。
同業者として興味が尽きなかった。
  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(2)

2010年12月24日

What A Wonderful World

クリスマスソング一色のこの時期になると、不思議に思い出す曲がある。


ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」。


原詞と訳詞を載せたけど、すごくシンプル。
この世界や自然を謳歌する曲は多いのに、なぜかこの曲は少し違う。


今回アップした動画は、「戦争」や「少年兵」の画像が連続する。
どういう訳か、曲と逆説的にマッチしている。


なぜなのか少し考えてみた。
もちろん僕なりの解釈なので、的を得ているかどうかは別問題。


結論から言うと、この曲は「人間が持つ逃れられない悲しみを足場として平和を訴えている」ような気がする。


終始こぼれるような笑顔で歌うルイ・アームストロングは黒人。
奴隷制度や虐殺で虐げられ続けた黒人の悲しみの歴史は、恐らく「諦める」しか選択肢がなかったと思う。


この悲しみや暗さの深淵は我々の想像の領域には決してないと思う。
そして「やり場のない悲しみ」から生まれる黒人音楽は悲しい歌を好まず、楽しくアップテンポなものが多い。


音楽でまで、悲しみに囚われていたくないのだろう。
そんな黒人が生み出す明るい曲には、言いようもない「凄み」を感じる。


僕がどうしても黒人音楽に傾倒してしまうのは、そんなところに理由があるようにも思う。


特にこの曲は何度聴いても、涙するほど悲しく明るい。




What A Wonderful World
http://www.youtube.com/watch?v=wAdeAr5i94k&feature=related

I see trees of green, red roses too
I see them bloom for me and you
And I think to myself, what a wonderful world

I see skies of blue, and clouds of white
The bright blessed day, dark sacred night
And I think to myself, what a wonderful world

The colors of the rainbow, so pretty in the sky
Are also on the faces, of people going by
I see friends shaking hands, sayin' "how do you do?"
They're really sayin' "I love you"

I hear babies cryin', I watch them grow
They'll learn much more, than I'll ever know
And I think to myself, what a wonderful world

Yes I think to myself, what a wonderful world

-------------------------------------------------------------------------

この素晴らしき世界

深緑の木々、赤いバラ
美しく輝いている、僕と君の為に
見るたびに思うんだ、”この世界はなんて素晴らしいんだろう”って

青く澄んだ空、たなびく白い雲
輝く恵みの朝 暮れゆく神秘の夜
いつも思うんだ、”この世界はなんて素晴らしいんだろう”って

空には”虹の色たち”が輝き
行き交う人々の顔にも映っている
みんな握手を交わし、”元気かい?”とあいさつしてる
ほんとうはね、”大好き”って言ってるんだよ

赤ん坊が泣いているね、大きくなっていくのが楽しみだ
僕が知っているよりずっと多くのコトを、これから学んでいくんだ
育まれる命を見るたびしみじみ思う ”この世界はなんて素晴らしい!”んだって

そう、心から思うんだ ”この世界はなんて素晴らしいんだ!”  
Posted by 生命保険認定士 at 12:00Comments(0)

2010年12月24日

「嫁のお父さん、取り消し編」③

義父母の側に立つなら、徹底的に立たねばならない。
先方に対する無用な情けなどあってはならない。


まずは義父に、電話で先方を呼び出してもらうことにした。
先方が来るまでの間に僕は準備をすることができる。


義父はすぐに電話をしたのだが、先方は都合がつき次第連絡するとだけで、待てど暮らせど連絡がなかった。
一週間以内には連絡が来ると思っていたが、結局一ヶ月経っていた。


あまりにも遅い。同業者として考えられない。
これで、情け容赦の必要が更になくなった。


一ヶ月近く経った頃、義父から僕に電話があった。
「今日、やっとX社から連絡があって、今週金曜日の午前10時って言っとるが大丈夫かいな?」


「分かりました。その日はいいですよ。ちょっと作戦もあるので早めに行きますね。」
作戦といっても軽めの打ち合わせのつもりだったが、やっておくに越したことはない。


段取りとしては、まず義父から言いたい放題言ってもらうことにした。
それに対する先方の言い分に対し、僕が指摘するという簡単な流れ。


金曜日9時半に僕は到着し、その流れを義父母に説明した。
10時を少し回ったところで、玄関のチャイムが鳴った。


現れたのは、40歳くらいの女性一人(以下T氏)で、担当者はいなかった。
受け取った名刺を見ると、肩書きは課長、直属の上司という説明だった。


さて、どの位のレベルの人なのだろう。
僕は以前某外資系保険会社に所属しており、そこの責任者レベルがどれだけ知識が豊富で、どれだけ明晰な頭脳を持つか知っていた。


それを基本に考えていたので、非常に緊張していた。
そのレベルでも勝てる準備はしていたのだが。

  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(0)

2010年12月23日

「嫁のお父さん、取り消し編」②

誰しも、初めてのことは守備範囲外で予想できないことが起きる可能性が高く、緊張するものだ。
僕も、「契約の取り消し」など、したこともされたこともないので不安でいっぱいだった。


しかし、13歳の年齢差のできちゃった結婚を許してもらった恩義もあり、ここは受けるしかないと決意し、まずは先方の情報を聞くことにした。


義父母に僕が言う。
「担当の方は何歳くらいなんですか?」


義母が言う。
「30半ばくらいじゃないとかいな。けっこうなやり手よ。お父さんの会社ん人もずいぶん契約しとるんじゃないと? ねえ、お父さん。」


「そうっちゃ、一体何人おるっちゃろうか。みんなこげん感じなら気の毒やなあ。」
と、お父さん。


そして肝心な部分に僕が触れる。
「死亡保障が10万円に下がることは確かに聞いてないんですね。」


すぐに、お父さんが、
「そげなこと、な~んも言うもんか。入院が1万円になりますよ、ばっかりくさ。オレは死んだ時はぜったい500万はあると思っとったのに、10万じゃあ死にきれん!」


「その他、気になることはありませんか?」
と聞いてみる。


「まあ、細かいことはよう分からんまま契約したけんね。なにしろ10万じゃ話にならん!」
とお父さん。

※博多弁そのままで書きました。特に誤字はありません(笑)。
 嫁の実家は全員、生粋の博多っ子。




困った、まったく困った!

これが事実だとしても、話し合いでは必ず「言った言わない」の水掛け論になるのは目に見えている。

約款の渡し忘れなどないか聞くが、他はしっかりしていた。



後には引けないところまできていたのだが、同業者として先方が気の毒な気さえしてきた。

義父母がきちんと説明を受けたにもかかわらず覚えていないという可能性は残されていた。



さて、どうするか?

悩んでいても仕方ないので、客観的事実よりも、親族の側に立つという判断を僕の中で下した。  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(2)

2010年12月22日

「嫁のお父さん、取り消し編」①

家内とか妻という言い方は慣れてないので、嫁にした(笑)。

僕が生命保険を仕事にしていることを結婚前から当然嫁の両親は知っていた。
しかし、両親とも病気があることを嫁から聞かされていたし、できちゃった結婚という引け目もあり、保険のことについて両親には触れないでいた。




ところが約1年前、突然嫁のお母さんから「ちょっと、お父さんの保険を見てもらえない?」と言われた。

一体何のことだろうと、内容をよく聞くとこういうことだった。

「2年ほど前、担当(大手生命保険会社、以下Ⅹ社)の人がお父さんの職場に来て、新しい保険を熱心に勧めた。入院給付金が5,000円から1万円に上がることが魅力的だったので見直すことにした。ところが最近気づいたのが、死亡が以前500万あったのに10万に下がっている。そんなことは聞いてない。元の契約に戻したいんだけど、どうすればいいだろうか?」

と、こんな感じ。


詳しく整理すると、

1.2000年からずっとⅩ社に加入している。(この時も転換)

2.2007年に新しい保険を勧められ加入。

3.新旧の違いは、
  死亡(終身部分):500万⇒10万
  入院:5千円⇒1万円
  払込期間:65歳終了⇒終身払い
  月払い保険料:ほぼ同じ

4.契約は自宅で行い、両親とも説明は聞いていたが、死亡が10万に下がることは聞いていない。

5.2008年にお父さんは椎間板ヘルニアで入院し手術を受けている。
  その時、給付金を30万円以上受け取っている。

6.担当者の女性はずっと同じ人で、その時も現役。

7.受け取った給付金は返してもいいから、元の契約に戻したい。


う~ん・・・いかに身内とはいえ、難しい相談だった。  
Posted by 生命保険認定士 at 08:00Comments(0)

2010年12月21日

もうすぐクリスマス☆

「クリスマスはどうするの?」と聞かれて、

「オレはキリスト教じゃないから、何もしないさ。」
という苦し紛れの言い訳は、ずいぶん前から使い古されている(笑)。



でも、ちょっと待った!



一緒にクリスマスを過ごす人がいない寂しさは認めるが(笑)、そもそもクリスマスはキリストの誕生日でもないし、聖書の教えでもない。


では何かと言うと、世界中を巻き込んだ「ただの商業的お祭り」なので、クリスチャンでなくても楽しまなければならない(笑)。


キリスト教など全く関係ないので、仏教徒も無宗教者も存分に楽しんでいいのだ。


思えば、クリスマスは商業的イベントとしては世界一の発明品ではないだろうか。
この経済効果は計り知れない。


トナカイもサンタの赤い服も誰かが勝手に創作したものだ。
おまけに、あたかもキリスト誕生を祝うような聖歌がたくさんあって、とても神聖な気がする。


ほんとに良くできた「お祭り」である。
まあ、人生楽しけりゃいいという人にはウッテツケと言える。


このことから考察すると、世界は「お金」と「娯楽」で回っているのがよく分かる。





では、このイベントは誰が発明したのだろう。


英語でクリスマスは「Christmas」、イエス・キリストは「Jesus Christ(ジーザス・クライスト)」、「mas」はミサという意味。

だからキリストに因んでいることは間違いない。



ある記事にはこうある。
クリスマスの起源は太陽崇拝にあるので、12月25日を祝う習慣は聖書の教えではない。

キリストが死んだ後の時代になってから、宗教指導者たちはキリストの誕生日を“征服されざる太陽の誕生日”を祝うローマの異教の祭りの日と同じ日付にすることを考えた(新ブリタニカ百科事典より)。
これにより、異教徒を(名目上の)キリスト教に改宗させる事が容易になった。

同時に、当時の12月17日から12月24日の期間にはローマの農耕の神をたたえるサトゥルナリア祭が行なわれており、この祭りでは宴会をしたり贈り物をしたりする風習があった。

上記のように、クリスマスがキリスト教の教えでなく異教に起源を持っている事は広く認められていたので、17世紀ごろのイングランドやアメリカの植民地ではクリスマスを祝う事が禁じられていた。
しかし、現代では「普通の人が聖書やキリスト教に親しむ機会」として確かに有用であるため、クリスマスのために教会が門戸を開くようになっている。





世界総人口の約55億人(1996年)の内、約19億人がキリスト教信者だとされている。


クリスマスを盛大に祝う宗派もあれば、拒否する宗派もある。


ともあれ、人間を幸せにするための宗教が世界人口のこれだけの割合を占めながら、いまだ世界では戦争や小競り合いが終わることはない。


いや、むしろ宗教が引き起こす争いだと言って過言ではない。


このことは2つに分けて考える必要がある。
1.宗教そのもが人間にとって悪である。
2.宗教は人間にとって必要だが、現在世界中にはびこるほとんどの宗教は、本来の教えから逸脱した異教である。


さて、どちらなのだろうか。



クリスマスによってロマンチックな気分になったり、良い出会いがあることは大賛成だが、こんなことも少しは考えてみてはどうだろう。  
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2010年12月21日

「民業圧迫」薬店編【編集後記】

今回の「薬店編」で、僕は少し悔やんでいるとこがある。

結果、解約は成功し僕らに報復もなかったのだが、Kさんとおばあちゃんにとって、さらに良い方法があったのだ。

それは、「契約の取り消し」である。

「契約の取り消し」とは、契約がはじめからなかったことにする作業だ。

これはクーリングオフ期間は関係ない。

従って、支払った保険料はすべて返納される。

Kさんとおばあちゃんの場合、解約と比較すると約1000万円は多く受け取ることができたと思う。



ただし、民間保険会社でも「取り消し」は大変な作業だ。

担当者の非を証拠と共に的確に示し、まずは支店の責任者が「取り消さざるをえない」と判断し、次に本社が承諾しなければならない。

大変難しくはあるが、僕は家内のお父さんの大手生命保険会社の契約を「取り消す」お手伝いをし、成功している。



しかし、これが当時国営の郵便局に通用するのか自信が全くなかったのと、Kさんとおばあちゃんに多大な時間を用意していただく必要があったので、僕はこれを提案しなかった。

Kさんとおばあちゃんの、一刻も早く縁を切りたいという気持ちを優先させた形となった。



でも時間はかかっても、成功するかどうかは分からなくても、「取り消し」を要求した方が良かったのかなと今でも迷いはある。

反面、やはりあれで良かったんだ・・・などとウジウジ考えてばかりいる(笑)。



終わってしまったことを考えていても仕方がないので、次回から先ほど触れた「家内のお父さんの取り消し劇」などを書いてみようと思う。

みなさんにも参考になる部分があると思うから。
  
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2010年12月20日

「民業圧迫」薬店編⑮最終章

外に出ると、すでに陽がずいぶん傾いていた。
街並みを赤く染める典型的な秋の夕陽だった。


解約完遂という達成感からか、その陽の傾きがまるで国家権力の斜陽のようにも感じられた。


一瞬立ち止まり僕はKさんに、
「途中どうなるかと思いましたが、よかったですね。」と言うと、


「はい。」
背筋を伸ばし、今度は小学生のような素振りで言った。
Kさんの頬も赤く染まっていた。


西谷が自分の持った紙袋を指差し、
「これ、重いような軽いような・・・でも、これだけあればラーメン屋が出来るんやけどなあ。」


「あはははは~!」
Kさんと僕の笑いを誘い、また寄り添うように駐車場まで歩いた。


Kさんの取引銀行の口座に全額入金するため、お金は通帳とともにすべて西谷に任され、彼が一人で銀行に行った。
全額を僕らに任せてくれたことを今さらながら光栄に思う。


僕はKさんを薬店まで送り西谷を待つ間、その日の出来事をKさん、おばあちゃんと談笑していた。



予想外の時間が経過して西谷が戻ってきた。
「一度に100万しか入らないんですよ。その度に何枚かはねられるんです。1つのATMをあんなに長い時間占領してたら絶対不審者ですよね!」
またKさんとおばあちゃんの笑いを誘った。


これでお付き合いが終わるわけではないので、僕らはお暇することにした。




「本当にありがとうございました。」

Kさんとおばあちゃんが深々と頭を下げる。





僕らもそれ以上に深々と頭を下げ、

「こちらこそ、本当にお会いできてよかったです。」




自然に心から出た言葉だった。



                               (完)




  


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の実話で僕が言いたかったことをまとめる。


この物語を僕は多くの人に話した。
実際厳しい意見も多くあった。
「自営業なのに、危機管理意識が不足してるんじゃないの?」
「そんなにボケーっとしていて、よく今までやってこれたね。」
「民間には、もっと悪いのがいくらでもいるよ。」


確かに「危機管理意識」という意味では同感だ。
しかし、僕が今回言おうとしているのはそれではない。

1.保険という同じ土俵なのにもかかわらず、郵便局職員のみが無法地帯とも言える状況にある。
2.「国だから安心できる」という幻想が国民に根強い。

この2点である。



決して僕は当時国営の郵便局だけを問題にしたかったのではない。
これは一つの象徴的出来事にすぎない。
このような「民業圧迫」は他の分野でもいまだに数多くあり、国の謀略は限りない。


僕は政治家なんてかわいいものだと思っている。
彼らは選挙に落選すれば、よほどの大物でないかぎりただの人だからだ。



では一体、その「得体の知れない国」とはなんなのだろう。



「国民の意識そのもの」だと僕は思っている。
これが「民主主義国家」の最大の長所であり最大の欠点でもある。


いかに絶大な権力を持つ国とはいえ、いつも国民の顔色をうかがっている。


「菅谷利和さん」の冤罪事件で初めて警察庁は謝罪した。
これは世論が収まらないと判断したからだだろう。


光市母子殺害事件は衝撃的結末で死刑が確定した。
過去2人までの殺人で死刑になった前例はないのに、本村洋さん側に立つ世論を重く見た裁判所の異例の判決だった。


元中曽根総理は正直に「政治家は世論を窺う風見鶏だ」と公言した。


このように、国家というものは常に世論を気にしている。
このことから、今の日本の姿は国民の意識そのものだということが分かる。


やっと最近になって、国や地方の不祥事を暴く報道が増えたが、一昔前は皆無に近かった。
TVは視聴率が全てだという観点からすると国民の意識が上がっていることになる。


瑣末な事件の視聴率が下がり、大切な事件の視聴率が上がればマスコミは当然そちらに動く。
すべては国民の意識にかかっているのだ。


国民の意識がさらに高くなり、より厳しい目を国家に向け続ければ、自ずと国は変わって行く。
これを僕は言いたかったのだ。
  
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2010年12月19日

「民業圧迫」薬店編⑭

「そういうことはやらないように言っているんですがね~」とS氏。


「現にやったという事実がここにあります。責任者のあなたはどう責任をとるんですか?」と僕が追及する。


「きちんと指導しておきます。」


「知り合いに保険会社の人間がいて今回のケースを説明したら、民間なら解雇処分の可能性が高いと言ってました。郵便局はどんな処分に

なるんですか?」


これに対してS氏は身じろぎ一つしなかった。
「民間は知りませんが、私達は国でしょ。 管轄する郵政事業庁も国ですよね。 国と国が喧嘩することはないんですよ。
今まで問題はすべて水面下で治まってます。 一度も問題になったことはないんですよ。」


形勢不利になったS氏の、あきれた最後の一蹴だった。
それまでに噂には聞いていたが、やはり本当だった。
これが実態だったのだ。




これ以上の追及も必要ないと感じ、しばらく沈黙の時が流れた。





空中に舞っていた埃がすべて床に落ちたかのような納まりを感じ、僕が口を開いた。


「すべて解約していただけますね。」


「分かりました。かなり時間がかかりますが、いいですか?」


「ええ、いつまででも待ちますよ。」




一時間近くは待っただろう。

解約金が用意された。

予想通り3000万円を越えていた。

ただ、Kさんとおばあちゃんがそれまでに支払った金額はこんなものではない。


この物語で僕が言いたかったことに話を戻すと「民業圧迫」だ。

民業圧迫で国民が潤っていれば、まだ救いはある。

しかしこのケースでは民業圧迫により、国民が被害者になっている。


許されてよいか・・・・・・僕はみなさんに問いたい。





午後5時が近づいていた。




戦いは終わった。

お金を紙袋に入れ、Kさんを両側から僕らが挟むようにして郵便局を後にした。  
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2010年12月18日

「民業圧迫」薬店編⑬

僕と西谷は極度の緊張状態に入っていた。
解約の手助けをするというのは、保険業法的にギリギリの線だったからだ。


もし、このS氏が僕らが保険業界の人間だと知り、法的手段をとったなら僕らは危うかった。
繰り返すが僕らは金融庁の管轄のもとに処分を受ける。


S氏及び担当者は郵政事業庁の判断となる。


彼ら側が悪いことは歴然としていても、僕らに勝ち目はなかった。
僕らの保身という意味で大変なリスクを冒そうとしていたのだ。




「なぜ答えないんですか。貯金よりいいと言われて契約したのに元本を割っていた理由を聞いているんですよ。」
もう一度詰めてみた。


「でも保障はしっかりされていたわけですからね~」
徹底してはぐらかす。




怒りを抑えながら、次の問題に移った。

「では次の時期の契約ですが、担当の方は相続対策で勧めたようです。しかしKさんのお母さんの場合財産の規模からして、そもそも相続税は必要ありません。
にもかかわらず、生前贈与という形で相続対策をとっています。
ただただ売らんがために、相続を無理矢理持ち出したのでしょうか?」


「これは担当に聞いてみないと分かりませんね~。」
S氏は一瞬驚きの表情を見せた。


それは当然で、相続問題が発生しない人に相続対策として売ったなどというデタラメなケースは、そうはあるはずもないからだ。
目的は一刻も早く解約することなので、この場に担当者を呼びつけることを僕は要求しなかった。


守備範囲外のことを指摘され、S氏はもう引きとめは無理だと思っていることが表情から窺えた。
最後の指摘に移ることにした。





「次に被保険者の署名と捺印の件ですが、多くの人は長崎、東京と県外で、契約時その場にはいなかったと聞いています。
くしくもそこの壁に貼ってある禁止事項の代筆をやったわけですが、これはどういうことでしょう?」


同じ業界の人間だと気づかれないため、なるべく専門用語を使わないようにしていたが、このあたりになるとすでにS氏は気づいていたと思う。


解約は成功してもその後の報復の可能性は残されていた。


僕の心理も興奮状態に入り、まさに「死なばもろとも」という状態だった。  
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2010年12月17日

「民業圧迫」薬店編⑫

お互い挨拶が終わり、S氏が話し始めた。
まず何を言い始めるか興味津々だった。


「解約したいということですが、今解約するともったいないですよ~。」
大上段からの物言いだった。


この言葉は想定内だったが、切り出し方という意味で僕には衝撃だった。
普通民間会社で解約の申し出があり対面したなら、人としての礼儀も含めてこのように言う。


「解約されたいとのことですが、何か私どもに不手際がありましたでしょうか?
まずはお話を聞かせてもらえませんか?」


これは営業手法というより極普通のことである。
まず相手の立場に立つ・・・どんな場合でも言えることだ。


この普通のことをやらないで、いや、やる必要がなく今までやって来れたのは、国営という看板以外に理由はないだろう。
商品力などで際立ったものは何もないのだから。






だが、一般の契約者は「もったいないですよ」という言葉に弱い。
たとえ元本割れであっても、こう言われると心が揺らぐのだ。
このことはKさんには前もって知らせておいた。


「いいえ、急な資金が必要になりましたので構いません。」
Kさんの意志が固まっていることがはっきり分かる口調だった。


「でもですねえ、半分くらいは残しませんか?」
半分とはあまりに乱暴な表現で、とても顧客の立場に立っているとは思えない。


「いいえ、全部お願いします。」
世間ずれしていないKさんが必死でがんばる。


「いいものもありますよ。今見てみましょう。」
このS氏の言葉も予想していたが、こうなると一日では決着がつかない長期戦になる。


KさんはS氏に気づかれないよう僕に困惑の表情を見せた。






僕らは限界まで口は挟まないことにしていた。
しかし、Kさんだけでは難しい様相を呈してきたので僕が割って入った。


「大きく分けて3つの時期に分かれていますが、この時期のものは貯金よりいいと言われたらしいです。計算すると元本を割っていますが、どういうことでしょう?」


S氏は一部を計算して、
「そうですねえ、なら特約を外しましょうか? そうすれば元本を上回りますよ。」


「いえいえ、僕が問題にしてるのは契約の時、貯金より良いと言われたのに元本を割れていることです。特約は外せばいいことは分かっていますが、なぜ初めからそうしなかったかを言っているのです。」


場違いな含み笑顔でS氏はそれには答えなかった。
彼は問題をすり替えているというより、こちらの真意が理解できてない様子だった。  
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2010年12月16日

「民業圧迫」薬店編⑪

意外にもすんなり僕らも同席を許され移動した。
確か5階だったと思う。
すでに午後2時を回っていた。


ワンフロアーを全て使っていると思われる大きな部屋だった。
出入りする人を見ると、営業用の部屋だ。


入ってすぐに目に入ったのは壁に貼ってある「標語」だった。


「頼まれても代筆はやめましょう!」
などと幼稚な言葉がいくつか書かれているのを見て、唖然とした。
民間保険会社では基本中の基本で、こんなことを喚起するなど論外だからだ。


正確に言えば、民間会社でこの種類の違反を犯せば厳しい場合は解雇、その支店が営業停止になることさえある。
仮に、こんな標語を民間保険会社が貼っていて、金融庁が監査で見たらなんと言うだろう?
あきれながら、「そんなことをする可能性がまだあるんですか?」とでも言うのではないだろうか。




応接のソファに座っている僕らに上司(限定してしまうので役職は伏せます、以下S氏)が近づいてきた。
上着は着用せず、ワイシャツは背中の部分がズボンからはみ出し、サンダルをペタペタ引きずりながら。


会社やお店の「やる気」は空気の張り詰め方で分かる。
「和やかさの中に緊張感」が最高だが、程遠いものだった。


いわゆる、福岡で言う「ズンダレた」雰囲気だった。
けだるい所作で僕らの向かいのソファに座ったのはS氏一人、50歳前後の中間管理職だった。


やましいところがあるのか、担当者は最後まで顔を出すことはなかった。
  
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2010年12月15日

「民業圧迫」薬店編⑩

Kさんを迎えに行く車の中で、僕は西谷にぼんやりこう言った。
「なんかさあ、保険なんて関係なくKさんとおばあちゃんには出来る限りのことをしたいよね。
だってさ、今までの話だと社会的に守ってくれる男性はいないみたいだもんね。」


西谷も同じことを考えていたらしく、
「オレもさあ、きれいごとじゃなくてさ、自然にそう思ってしまうよ。これからもずっと良いお付き合いがしたいね。」


やはり僕たちは気持ちが同化していた。
「でもさ、打ち合わせ通りでいくけど今日は何が起きるか分からないから、最終的な覚悟はいいよね。」


僕の言葉の意味を西谷は分かっていた。
「ここまでやって、最悪のことが起きたんなら本望さ。 次は一緒にラーメン屋でもやろうか?」


「簡単にラーメン屋は、ラーメン屋さんに失礼やろ。 土方から最スタートかな?」
と僕が言うと、


「オレたちみたいなひ弱な人間が言ったら、それこそ土方の人に失礼やろ! あっはっは!」
西谷は心強い仲間だった。


到着するとKさんは、ダーク色のスーツ姿で待っていた。
僕は口には出さなかったが、その服装から今日に対する気持ちを感じていた。



出発前、想定される流れと先方が言ってくるだろう言葉を説明し、Kさんに再度確認した。
解約理由は「急な資金が必要になった」とうことにした。


担当者の不法行為を指摘するのは避けることにした。
これをすると事情が複雑になり、Kさんに嫌な思いをさせる時間が長引くと判断したからだった。
しかし、最終手段としては使わざるを得ないとも思っていた。


「本当にだいじょうぶですか?」


Kさんは笑顔で、
「はい、だいじょうぶです。」
決心は変わらないようだった。


僕と同僚はネクタイとバッジをはずし、親戚の人間ということにした。
事実、短い時間ではあったがKさんと僕らはすでにそのような心理的関係になっていた。



午後一時、中央郵便局に到着した。


まず通常の窓口にKさんが一人で行き、僕らは待合のいすに座って様子を伺った。
広いので十メートルは離れていた。


これだけの規模の解約はそうあるものではないので簡単にいくはずはない。
もめるようなら、すぐにアシストに行こうと思っていた。


まず想定内のことが起こる。
Kさんが趣旨を伝えると、それを聞いた受付の女性が姿を消した。
担当者に連絡しているのに違いない。


余談ではあるが、通常多くの保険会社ではこの手法をとる。
中には「担当者経由でないと解約はできない」、あるいは「準備に時間がかかる」などといまだに言っている会社もあり、これは大変残念なことだ。
念のため言っておくが、そんなことはあり得ない。


解約は本来は契約者と会社との間の郵送書類だけでもできる。
支店であっても訪問すれば、その場で出来る。


事実僕がこの時所属していた会社は「カスタマーセンター」への電話だけで解約を受け付けていた。
もちろん担当者に解約の報告はあったが、これは顧客にとっては良いことだと僕は思っている。


なぜなら、お客様と担当者の関係が深ければ、なにかあればお客様から直接担当者に連絡があるものだ。
にもかかわらず、担当者を飛び越え「カスタマーセンター」に電話をされた時点で、担当者の力不足だと僕は思っているからだ。



20分くらい待っただろうか、担当者の男性が戻って来た。
30歳前後で、思ったより若かった。


現れるなり笑顔のひとつもなく、顔は青ざめ頬がピクピク痙攣しているのまでが僕の距離からでも分かった。
保険の解約は会社にもよるが、通常担当者に大きなペナルティが課せられる。


そのためだろう、すんなりとは受け付けない様子だった。
Kさんと押し問答を繰り返している。


これ以上長引けば、僕も窓口に行こうと思っていた矢先にKさんが戻ってきた。



「別の部屋に来てくださいと言われました。」
これも想定どおりだった。


「やはり、そう来ましたね。大丈夫です、僕らがいますから。」
と言いながら、内心は極度に緊張していた。
こんな経験は初めてなのと、万が一僕らが保険会社の人間だと分かってしまった場合のことは準備していなかったことから来る緊張だった。




ここから、上司による引き止めが始まる。

まさに正念場の始まりだった。

  
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2010年12月14日

「民業圧迫」薬店編⑨

さて、この量を解約するのも大変なことなのだが、先に解約するとKさんの保障が途切れてしまう。

僕は慎重に言った。
「はい、解約のお手伝いは全力でいたします。ただ、Kさんの保障がすべてなくなってしまうので、そこが心配です。
ですから、新たな保障を私たちに任せていただいて、それを成立させた後に解約という流れにしたいと思うのですが、
どうでしょうか?」


Kさんは、ハッと我に返った表情で、
「あっ、そうでしたね。私はまだまだ頑張らなきゃいけない身でした。保障が何も無いのは困ります。
すべてお任せしますので、良い保険を作ってください。」と、元の少女のあどけない顔で言った。


そこから、Kさんに必要な「死亡保障額」や「入院・ガンのリスク」を話し合い、次回提案することにした。
お客様の意志がはっきり決まっている場合、僕は万難を廃して早く事を運ぶ。


早速翌日訪問して説明し、すんなり新しいプランが決まり申し込みの運びとなった。
1週間くらいで成立し、後は郵便局の全解約の大作業が始まることとなった。


解約金だけで数千万円になることが分かっていたので、容易に運ばないことも十分予測していた
まずは、Kさんに契約した支局に電話してもらったが、案の定、そのレベルの解約は支局では出来ないとのことで、
福岡市内にある、最も大きな中央郵便局へ行くことになった。


僕らはネクタイとバッジを外し、とても近い知り合いという設定で同行することにした。
郵便局は解約金は現金でその場で渡すことから、その後のことも考えておく必要があった。
僕らも身を引き締め、緊張していた。


中央郵便局へ行く日、Kさんはわざわざお店の休みをとった。
店番はおばあちゃんと近くに住む妹さんに任せることにした。  
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