2011年01月01日
「嫁のお父さん、取り消し編」⑪
2011年、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Y氏は想像通り、誠実で正直な女性だった。
短大卒業後すぐX社に入社することに対し迷いがあったこと。
入社後思いのほか順調に保険営業をこなすことが出来、仕事を理解してくれる男性と知り合い結婚そして出産、現在4歳の息子さんがいること。
10数年経ち、新人教育を中心とする内勤に変わり、時間を拘束されることから家事や育児に影響が出始め、ご主人ともめたことがあったこと。
今のポジションもいつどうなるか分からないこと。
その他、質問したことには淀みなく答えてくれた。
「ところでYさんの会社では、今競争が激化している医療保険やガン保険などの他社商品の研究は定期的に行っているんですか?」
「いいえ、他社商品の研究は全くやりません。」
全くやらないという答に僕は驚いた。
僕がいた会社では、自社商品の勉強は当然として、他社商品の研究も常に行っていたからだ。
これは保険という業界だけでなく、どの業界にも当てはまることだと思っていたのだが。
大手日本社の一定レベル以上の人と話したのは初めてだったので、好奇心旺盛な僕には驚きの連続だった。
「では僕が今回勧めようとしている会社の商品も、Yさんはほとんど知らないということでいいですか?」
「はい、個人商品に関しては知りません。ただ、ある法人契約でその会社とバッティングし負けたことがありますので、その商品に関してだけはある程度分かります。」
「そうですね、この会社の商品は法人にも強いですからね。」
この会社は個人商品では有名だが、法人商品でも一流であることはあまり知られていない。
今度は僕が質問しているわけでもないのに、Y氏が続けた。
「実は、私が負けたその会社の社長は私を大変かわいがってくれてまして、契約にはならなかったんですが、こう言われたんです。『オレは君をすごく気に入っている。でも、会社の利益になるかどうかをそれだけで決めることは出来ない。だから早く独立しなさい。君がいろんな保険会社を取り扱うようになれば、必ず君から入るよ。』と。」
さらにY氏は続けた。
「そしてその後、偶然なんですが、ある外資系保険会社からスカウトを受けたことがあるんです。その時は本気で考え悩みました。私は短大卒ですぐこの会社に入り、多くの先輩方に可愛がって頂き、その恩は決して忘れられません。でも、その恩を上回るくらいの迷いでした。結局また偶然なんですが、新人教育という大役を任せられる話があり、それを私は受け入れたので、あちらはお断りしました。」
なるほど、Y氏の心情はよく分かる。
新卒で何も分からない時によくしてくれた人に恩を仇で返すようなことは出来るものではない。
もっとY氏を知りたくなった。
「Yさんが営業時代、そして今の新人教育に至るまで一貫して大切にしているものは何ですか?」
これに対する返事はやや時間がかかった。
「正直言いまして今の私の生活が一番です。その次にお客様です。」
僕にとって、この上もない素晴らしい答だった。
この答だけでもY氏がいかに優秀かがよく分かる。
自分の中の欺瞞に翻弄されることなく、自分を知っている。
これはある程度営業をやった人なら誰でも考えることだ。
自分はお客様のためにと思って今の仕事をやっているが、本当にそうなのだろうか?と。
詰めて考えると、やはり自分と自分の身の回りの人たちが大切だという答に行き着く。
日本には昔から「三方よし」という近江商人の教えがある。
【売り手よし】【買い手よし】そして【世間よし】という教えだ。
同じテーマを昔の人も考え、導き出された答である。
この3つがいつも同じレベルにあるのが理想だという訳だ。
これからすると僕の質問は酷であり、ナンセンスであったことになる。
それを承知しながら敢えて質問したのだが。
今年もよろしくお願いします。
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Y氏は想像通り、誠実で正直な女性だった。
短大卒業後すぐX社に入社することに対し迷いがあったこと。
入社後思いのほか順調に保険営業をこなすことが出来、仕事を理解してくれる男性と知り合い結婚そして出産、現在4歳の息子さんがいること。
10数年経ち、新人教育を中心とする内勤に変わり、時間を拘束されることから家事や育児に影響が出始め、ご主人ともめたことがあったこと。
今のポジションもいつどうなるか分からないこと。
その他、質問したことには淀みなく答えてくれた。
「ところでYさんの会社では、今競争が激化している医療保険やガン保険などの他社商品の研究は定期的に行っているんですか?」
「いいえ、他社商品の研究は全くやりません。」
全くやらないという答に僕は驚いた。
僕がいた会社では、自社商品の勉強は当然として、他社商品の研究も常に行っていたからだ。
これは保険という業界だけでなく、どの業界にも当てはまることだと思っていたのだが。
大手日本社の一定レベル以上の人と話したのは初めてだったので、好奇心旺盛な僕には驚きの連続だった。
「では僕が今回勧めようとしている会社の商品も、Yさんはほとんど知らないということでいいですか?」
「はい、個人商品に関しては知りません。ただ、ある法人契約でその会社とバッティングし負けたことがありますので、その商品に関してだけはある程度分かります。」
「そうですね、この会社の商品は法人にも強いですからね。」
この会社は個人商品では有名だが、法人商品でも一流であることはあまり知られていない。
今度は僕が質問しているわけでもないのに、Y氏が続けた。
「実は、私が負けたその会社の社長は私を大変かわいがってくれてまして、契約にはならなかったんですが、こう言われたんです。『オレは君をすごく気に入っている。でも、会社の利益になるかどうかをそれだけで決めることは出来ない。だから早く独立しなさい。君がいろんな保険会社を取り扱うようになれば、必ず君から入るよ。』と。」
さらにY氏は続けた。
「そしてその後、偶然なんですが、ある外資系保険会社からスカウトを受けたことがあるんです。その時は本気で考え悩みました。私は短大卒ですぐこの会社に入り、多くの先輩方に可愛がって頂き、その恩は決して忘れられません。でも、その恩を上回るくらいの迷いでした。結局また偶然なんですが、新人教育という大役を任せられる話があり、それを私は受け入れたので、あちらはお断りしました。」
なるほど、Y氏の心情はよく分かる。
新卒で何も分からない時によくしてくれた人に恩を仇で返すようなことは出来るものではない。
もっとY氏を知りたくなった。
「Yさんが営業時代、そして今の新人教育に至るまで一貫して大切にしているものは何ですか?」
これに対する返事はやや時間がかかった。
「正直言いまして今の私の生活が一番です。その次にお客様です。」
僕にとって、この上もない素晴らしい答だった。
この答だけでもY氏がいかに優秀かがよく分かる。
自分の中の欺瞞に翻弄されることなく、自分を知っている。
これはある程度営業をやった人なら誰でも考えることだ。
自分はお客様のためにと思って今の仕事をやっているが、本当にそうなのだろうか?と。
詰めて考えると、やはり自分と自分の身の回りの人たちが大切だという答に行き着く。
日本には昔から「三方よし」という近江商人の教えがある。
【売り手よし】【買い手よし】そして【世間よし】という教えだ。
同じテーマを昔の人も考え、導き出された答である。
この3つがいつも同じレベルにあるのが理想だという訳だ。
これからすると僕の質問は酷であり、ナンセンスであったことになる。
それを承知しながら敢えて質問したのだが。
Posted by 生命保険認定士 at
08:05
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2011年01月01日
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Posted by 生命保険認定士 at
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