2010年12月15日
「民業圧迫」薬店編⑩
Kさんを迎えに行く車の中で、僕は西谷にぼんやりこう言った。
「なんかさあ、保険なんて関係なくKさんとおばあちゃんには出来る限りのことをしたいよね。
だってさ、今までの話だと社会的に守ってくれる男性はいないみたいだもんね。」
西谷も同じことを考えていたらしく、
「オレもさあ、きれいごとじゃなくてさ、自然にそう思ってしまうよ。これからもずっと良いお付き合いがしたいね。」
やはり僕たちは気持ちが同化していた。
「でもさ、打ち合わせ通りでいくけど今日は何が起きるか分からないから、最終的な覚悟はいいよね。」
僕の言葉の意味を西谷は分かっていた。
「ここまでやって、最悪のことが起きたんなら本望さ。 次は一緒にラーメン屋でもやろうか?」
「簡単にラーメン屋は、ラーメン屋さんに失礼やろ。 土方から最スタートかな?」
と僕が言うと、
「オレたちみたいなひ弱な人間が言ったら、それこそ土方の人に失礼やろ! あっはっは!」
西谷は心強い仲間だった。
到着するとKさんは、ダーク色のスーツ姿で待っていた。
僕は口には出さなかったが、その服装から今日に対する気持ちを感じていた。
出発前、想定される流れと先方が言ってくるだろう言葉を説明し、Kさんに再度確認した。
解約理由は「急な資金が必要になった」とうことにした。
担当者の不法行為を指摘するのは避けることにした。
これをすると事情が複雑になり、Kさんに嫌な思いをさせる時間が長引くと判断したからだった。
しかし、最終手段としては使わざるを得ないとも思っていた。
「本当にだいじょうぶですか?」
Kさんは笑顔で、
「はい、だいじょうぶです。」
決心は変わらないようだった。
僕と同僚はネクタイとバッジをはずし、親戚の人間ということにした。
事実、短い時間ではあったがKさんと僕らはすでにそのような心理的関係になっていた。
午後一時、中央郵便局に到着した。
まず通常の窓口にKさんが一人で行き、僕らは待合のいすに座って様子を伺った。
広いので十メートルは離れていた。
これだけの規模の解約はそうあるものではないので簡単にいくはずはない。
もめるようなら、すぐにアシストに行こうと思っていた。
まず想定内のことが起こる。
Kさんが趣旨を伝えると、それを聞いた受付の女性が姿を消した。
担当者に連絡しているのに違いない。
余談ではあるが、通常多くの保険会社ではこの手法をとる。
中には「担当者経由でないと解約はできない」、あるいは「準備に時間がかかる」などといまだに言っている会社もあり、これは大変残念なことだ。
念のため言っておくが、そんなことはあり得ない。
解約は本来は契約者と会社との間の郵送書類だけでもできる。
支店であっても訪問すれば、その場で出来る。
事実僕がこの時所属していた会社は「カスタマーセンター」への電話だけで解約を受け付けていた。
もちろん担当者に解約の報告はあったが、これは顧客にとっては良いことだと僕は思っている。
なぜなら、お客様と担当者の関係が深ければ、なにかあればお客様から直接担当者に連絡があるものだ。
にもかかわらず、担当者を飛び越え「カスタマーセンター」に電話をされた時点で、担当者の力不足だと僕は思っているからだ。
20分くらい待っただろうか、担当者の男性が戻って来た。
30歳前後で、思ったより若かった。
現れるなり笑顔のひとつもなく、顔は青ざめ頬がピクピク痙攣しているのまでが僕の距離からでも分かった。
保険の解約は会社にもよるが、通常担当者に大きなペナルティが課せられる。
そのためだろう、すんなりとは受け付けない様子だった。
Kさんと押し問答を繰り返している。
これ以上長引けば、僕も窓口に行こうと思っていた矢先にKさんが戻ってきた。
「別の部屋に来てくださいと言われました。」
これも想定どおりだった。
「やはり、そう来ましたね。大丈夫です、僕らがいますから。」
と言いながら、内心は極度に緊張していた。
こんな経験は初めてなのと、万が一僕らが保険会社の人間だと分かってしまった場合のことは準備していなかったことから来る緊張だった。
ここから、上司による引き止めが始まる。
まさに正念場の始まりだった。
「なんかさあ、保険なんて関係なくKさんとおばあちゃんには出来る限りのことをしたいよね。
だってさ、今までの話だと社会的に守ってくれる男性はいないみたいだもんね。」
西谷も同じことを考えていたらしく、
「オレもさあ、きれいごとじゃなくてさ、自然にそう思ってしまうよ。これからもずっと良いお付き合いがしたいね。」
やはり僕たちは気持ちが同化していた。
「でもさ、打ち合わせ通りでいくけど今日は何が起きるか分からないから、最終的な覚悟はいいよね。」
僕の言葉の意味を西谷は分かっていた。
「ここまでやって、最悪のことが起きたんなら本望さ。 次は一緒にラーメン屋でもやろうか?」
「簡単にラーメン屋は、ラーメン屋さんに失礼やろ。 土方から最スタートかな?」
と僕が言うと、
「オレたちみたいなひ弱な人間が言ったら、それこそ土方の人に失礼やろ! あっはっは!」
西谷は心強い仲間だった。
到着するとKさんは、ダーク色のスーツ姿で待っていた。
僕は口には出さなかったが、その服装から今日に対する気持ちを感じていた。
出発前、想定される流れと先方が言ってくるだろう言葉を説明し、Kさんに再度確認した。
解約理由は「急な資金が必要になった」とうことにした。
担当者の不法行為を指摘するのは避けることにした。
これをすると事情が複雑になり、Kさんに嫌な思いをさせる時間が長引くと判断したからだった。
しかし、最終手段としては使わざるを得ないとも思っていた。
「本当にだいじょうぶですか?」
Kさんは笑顔で、
「はい、だいじょうぶです。」
決心は変わらないようだった。
僕と同僚はネクタイとバッジをはずし、親戚の人間ということにした。
事実、短い時間ではあったがKさんと僕らはすでにそのような心理的関係になっていた。
午後一時、中央郵便局に到着した。
まず通常の窓口にKさんが一人で行き、僕らは待合のいすに座って様子を伺った。
広いので十メートルは離れていた。
これだけの規模の解約はそうあるものではないので簡単にいくはずはない。
もめるようなら、すぐにアシストに行こうと思っていた。
まず想定内のことが起こる。
Kさんが趣旨を伝えると、それを聞いた受付の女性が姿を消した。
担当者に連絡しているのに違いない。
余談ではあるが、通常多くの保険会社ではこの手法をとる。
中には「担当者経由でないと解約はできない」、あるいは「準備に時間がかかる」などといまだに言っている会社もあり、これは大変残念なことだ。
念のため言っておくが、そんなことはあり得ない。
解約は本来は契約者と会社との間の郵送書類だけでもできる。
支店であっても訪問すれば、その場で出来る。
事実僕がこの時所属していた会社は「カスタマーセンター」への電話だけで解約を受け付けていた。
もちろん担当者に解約の報告はあったが、これは顧客にとっては良いことだと僕は思っている。
なぜなら、お客様と担当者の関係が深ければ、なにかあればお客様から直接担当者に連絡があるものだ。
にもかかわらず、担当者を飛び越え「カスタマーセンター」に電話をされた時点で、担当者の力不足だと僕は思っているからだ。
20分くらい待っただろうか、担当者の男性が戻って来た。
30歳前後で、思ったより若かった。
現れるなり笑顔のひとつもなく、顔は青ざめ頬がピクピク痙攣しているのまでが僕の距離からでも分かった。
保険の解約は会社にもよるが、通常担当者に大きなペナルティが課せられる。
そのためだろう、すんなりとは受け付けない様子だった。
Kさんと押し問答を繰り返している。
これ以上長引けば、僕も窓口に行こうと思っていた矢先にKさんが戻ってきた。
「別の部屋に来てくださいと言われました。」
これも想定どおりだった。
「やはり、そう来ましたね。大丈夫です、僕らがいますから。」
と言いながら、内心は極度に緊張していた。
こんな経験は初めてなのと、万が一僕らが保険会社の人間だと分かってしまった場合のことは準備していなかったことから来る緊張だった。
ここから、上司による引き止めが始まる。
まさに正念場の始まりだった。
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Posted by 生命保険認定士 at 08:00│Comments(0)